ルカによる福音書13:10-17
その上に手を
本日の聖書は、安息日にイエス様が18年間も病の霊に取りつかれている女性に目を留められ、その人の上に手を置き、病を癒すことから始まります。苦しめられている人が癒やされた素晴らしい出来事のはずなのに、共に喜ぶどころか腹を立てた人がいました。その人は、イエス様が安息日のきまりを破ったとみたのです。安息日を守ることは「十戒」の中に記されており、この日は一切仕事をしない休む日です。イスラエルの民がモーセに率いられてエジプトを出て、荒れ野の中でのことを思い起こしてみてください。安息日の前日には2倍の量のマナが地面の上に降りていました。つまり、安息日の分まで神様は用意してくださったのです。安息日は働かなくても、神様が面倒見てくれるから心配ない。これは喜びではないでしょうか。
安息日には安心して仕事を休んで、すべてを備えてくださる神をたたえる聖なる集会、つまり礼拝をする日となったのです。ところが、イスラエルの民がバビロン補因によって国が滅びてから安息日の意味が変わっていきました。自分たちが神に背いたので罰が与えられたと思い、捕囚から戻ってきた後、神様から与えられた戒律はきちんと守らなければならないと考えたのです。そうすると、もともと安息日は神様の御業を喜ぶ日であったのに、神様の罰をれるため、守らなければならない日となってしまいます。それに対してイエス様のなさったことは、安息日の喜びを取り戻したのだと言えます。この女性は、イエス様に癒されたことによって「神を賛美した」と書かれています。それまでも毎週安息日に会堂での礼拝に来ていたのですが、喜びがなかったのです。しかしイエス様によって、安息日の礼拝が喜びへと変わったのです。